Kaktus Klubと言うモスクワのサボテンクラブがあります。 不定期ながら、年に数回サボテンに関する文章を発表しています。 2023年にはヴィクター・ガポン氏による、ギムノカリキウム・フェロシオールの文章が発表されていました。 うちの温室のフェロシオールは全て、このヴィクター・ガポン氏の採取した血統が由来となっている事もあり、どんな内容なのか興味がありました。 但し、文章はロシア語。これまではGoogle翻訳2回かけても良く分からない状態でした。 しかしながら、最近の生成AIの影響により、「文章を簡易にまとめる」、「箇条書きに書く」、「結論を先に抽出する」など、文章の解析が非常に楽になり、翻訳のハードルがかなり下がってきています。 今回、その文章について、ChatGPTの助けを得ながら、内容をまとめてみました。 ①ギムノカリキウム・フェロシオールとフェロックスの相違 フェロシオールというサボテンは一般的によく耳にすると思いますが、一部ではフェロックスと言う似たような名前で呼ばれることがあります。 この相違には下記が背景としてあるようです。 ・中刺があるものをフェロシオール、中刺が無いものがフェロックス(トンボ型の刺)としていた。 ・現地では中刺があるもの(フェロシオール:Ferocior)とないもの(フェロックス:ferox)は混在し生育している。 ・よって、フェロックスとフェロシオールの違い(中刺の有無)は個体差の様なもので、品種を分けるまでの必要はない。 ➁ フェロシオールの分布 フェロシオールはシエラ・デ・グアサパンパ山脈(Sierra de Guasapampa)周辺という限られた範囲で生育しているサボテンである。 ③ シエラ・デ・グアサパンパ山脈で二つに分かれるフェロシオール ・シエラ・デ・グアサパンパ山脈で東型と西型で分かれるフェロシオールであるが、実は外見的には殆ど一緒。 ・外見は殆ど一緒だが、種子の形態が異なる為、両者はそれぞれ違う種類だとみなされている。(仮) ※より細かく地図を見てみたい方は、GoogleMapでもセットしているのでご覧ください。 (デフォルトは、うちの家フェロシオールの自生地(Tosno)に設定しています。 東側: 種子: 黒くて、つやがなくて、ざらざらしている。 分布: 東側が中心(地図赤色部分)コルドバ州のパソ・ビエホ(Paso Vejo)とシエナガ・デル・コロ(Cienega del coro)に分布する) 種子の形態から、紅蛇丸(G. mostii)の影響を強く受けたフェロシオールと考えられる。 その為、東側の個体は、G. mostii subsp. ferociorの名前が相応しいと考えられる。 紅蛇丸系フェロシオール(G. mostii subsp. ferocior) 西側: 種子: 赤茶色で、光沢があり、ツルツルで、とげとげの突起がある。 分布: 西側が中心(地図青色部分)アグア・デ・ラモン(Agua de Ramon) 種子の形態から、剣魔玉(G.castellanosii)の影響を強く受けたフェロシオールと考えられる。 その為、西側の個体は、G. castellanosii subsp. ferociorの名前が相応しいと考えられる。 剣魔玉系フェロシオール(G.castellanosii subsp. ferocior) ③ 東側/紅蛇丸系フェロシオールと西側/剣魔玉系フェロシオールの進化についての仮説 ・紅蛇丸系フェロシオールと剣魔玉系フェロシオールには「収斂進化パターン」と「共通の祖先パターン」という二つの仮説がある。 「共通の祖先パターン」 シエラ・デ・グアサパンパ山脈周辺の分布域にはかつて一種類のフェロシオールの祖先になるサボテンが存在していた。 しかしその後、山脈を隔てて、東側は紅蛇丸(G. mostii)交雑の影響を受ける。 西側は剣魔玉(G.castellanosii)の影響を受けた。 【雑感】
うちのフェロシオールは、播種した全ての個体で中刺がほとんど出ません。 トンボ型の刺をしています。 これは、このフィールド番号特有の特徴だと、ずっと嬉しかったのですが、ぬか喜びだったようです。 ただ単にフェロックス(中刺なし)という個体差だったようです。 また、うちのフェロシオールの地理情報を、地図で見てみると、東側です。 しかも取れた種も光沢の無い真っ黒な種です。 典型的な「東側の紅蛇丸(G. mostii)系フェロシオール」であることが分かり、現地のロマンを感じています。
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7月 2024
運営者近畿の住宅地の中でサボテンや多肉を育てています。 |