私が加入しているサボテンクラブの会長は、大のフェロカクタス好き。 こんなデカくて、痛々しそうなサボテンの何処が良いのだろう? ・・・と、10年ほど前は全く理解できなかったのですが・・・ 今となっては、フェロカクタスが私の温室に鎮座しています。 私が最初に購入したフェロカクタスは、金鯱(エキノカクタス)と交配された個体との事でした。 (滋賀の老舗サボテン屋さんで購入) フェロカクタスとエキノカクタスは相互に交配できるのであれば、この2属は近縁種なのだろうと思っていました。 そこで、この近縁関係を学術的に証明している情報は無いか?と以前から気になっていました。 Chat GPTぶん回し検索をしていると、サボテン関係はBotanical Society Of Americaという所の論文掲載がホットスポット?と思えるようになってきています。 そこで、調べてみると下記論文がみつかりました。 PHYLOGENETIC RELATIONSHIPS AND EVOLUTION OF GROWTH FORM IN CACTACEAE (CARYOPHYLLALES, EUDICOTYLEDONEAE) - - - サボテン科(ナデシコ目、双子葉植物目)の系統関係と成長形態の進化 ただし、この論文、南米サボテン、北米サボテン、森林性のサボテンから、オプンチア、杢キリン類までの系統樹を作成してみる!という気宇壮大な内容になっています。 また、発行年も2011年と若干古いです。 また、DNA解析も説明変数がちょっと変わることで相関係数/有意度とか大きく変わってくるのでは?と素人ながらに感じることもあります。 ※ 私は生物関連でデータ解析は行ったことはありませんが、企業データで統計解析を行うことがあります。 この時に、説明変数をチューニングすることで、大きく求める結果が変わったりすることがあります。 その時からの想像です。 いずれにせよ、この論文をNotebookLMに読み込んで頂き、フェロカクタスとエキノカクタスの関係性について、説明してもらいました。 (蛇足)ChatGPTが出てきたばかりの頃、ChatGPTのハルシネーション(幻覚/でたらめ)が問題となっていました。 ずいぶん改良されたとは言え、Chat GPTではやはり、ハルシネーション的な挙動を感じる時があります。 一方、GoogleのNotebookLMは与えられた資料(PDFなど)をより深く読み込み。 知らない事は知らない。 書かれて無いことについて、そんな事は書かれていません!と明確に否定します。 その点、使い勝手がよく、外国語文献の解析には愛用しています。 1)フェロカクタス クレードについて クレードとは、共通の祖先から進化した生物のグループのことです。 この論文では、サボテンの仲間であるフェロカクタス(Ferocactus)というグループに注目していますが、フェロカクタスは色々な種類が混ざったグループであることが分かっています。 Butterworthという研究者たちが、以前にフェロカクタスに似たグループを見つけました。 この論文の研究者たちも、同様のグループを見つけたと報告しています。 このグループを、ここでは「フェロカクタス クレード」と呼ぶことにします。 この「フェロカクタス クレード」には、フェロカクタスだけでなく、他の種類のサボテンも含まれています。 具体的には、以下のサボテンが「フェロカクタス クレード」に含まれています。 ・Thelocactus(テロカクタス) ・Stenocactus(ステノカクタス) ・Leuchtenbergia principis (レウクテンベルギア 晃山) ・Sclerocactus uncinatus (スクレロカクタス 羅紗錦) 2)フェロカクタスと金鯱との近縁関係
結論から先に言うと、Echinocactus grusonii(エキノカクタス・グルソニー、通称:金鯱)は、「フェロカクタス クレード」には含まれていません。 この論文では、「金鯱」はアズテキウム(Aztekium)クレードという別のグループに、アストロフィツムと一緒に属しているとされています。 アズテキウム(Aztekium)クレードは、Cacteae族の中で比較的初期に分岐したグループです。 「フェロカクタスクレード」に含まれるサボテンは、1本で生えるものもあれば、群生するものもあります。 また、茎(体)には肋(あばらのような模様)があり、その肋に沿ってイボのようなものがついているのが特徴です。 ただし、この「フェロカクタスクレード」が本当にまとまりのあるグループなのかどうかは、まだはっきりとは分かっていません。 この論文の分析でも、このクレードの支持率は中程度とされています。今後の研究で、より詳細が解明されていくと、変更される可能性があります。
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エキノカクタス・翠平丸 一昨年、ヤフオクにて種子で入手した翠平丸の接降ろし株です。 うちでは翠平丸はカイガラムシに弱く、本株もカイガラムシに侵された跡が残ってしまっています。 このバッジの翠平丸の種子では、発芽率向上の実験がいろいろとできました。 硝酸や塩酸につけると良いと聞いていたので、塩酸にも浸してみましたが、種がプカプカと浮かび、表面の溶解を感じられませんでした。 それ以上に、塩酸が怖いので、私にとってこの方法はちょっと馴染めない気がしています。 代わりに行ったのが、種子の皮むきです。 娘の彫刻刀を借りて、種子に軽くクラックを入れ、中の白い”具”が見えるか?見えないか?(時々おもいっきし見えていますが・・・)の状態にして播種してみました。 この方法の場合、殆どの種子で発芽するので、現在の所は、この方法で進めてみようと思っています。 むちゃくちゃ面倒ですが(笑) 時々、力が強すぎて、種を真っ二つにして駄目にしてしまうこともあります(泣) 写真は、太平丸/ 小平丸 / 花王丸 /翠平丸かは分かりませんが、「VM 896」のフィールド番号が付与された個体群の一つです。
昨年は、エキノカクタスの海外種子を導入して、次々と皮むきしては、発芽後接ぎ木しました。 エキノカクタスは発芽後の苗が大きいので実生接ぎが行いやすいく重宝しています。 Pterocactus tuberosus 黒竜 関東の愛好家の方より、苗交換で頂戴した黒竜。 根がラディッシュの様になり、すごい根塊が形成されています。 なんと、この株はカキ仔由来だそうです。 実生ではなく、カキ仔だそうです。 温室の地面に直接地植えされ、時間をかけるとカキ仔であっても見事な根塊が形成されるそうです。 ただただ、驚くばかりです。 私も少しだけですが、前述の愛好家の栽培方法を真似してみました。
今年の南大阪サボテンクラブの競技苗は綾波です。 この綾波を4月から地植えしています。 去年の2月に植え替えたエキノカクタス・綾波。 ほぼ一年経過しましたが、球体がお互いにくっつく程に成長しました。 接ぎ木ばかりやっているので、ついついそちらに目が行ってしまいますが、自根の株もゆっくりと成長してくれているようです。 これらの綾波は師匠から頂いたもので、植え替え直後は環境に馴染めず、3-4株腐らせてしまいました。 とりあえず、40株ほどはありそうなので、師匠にお返しすることも出来そうです。 去年の2月に植え替えた直後の様子です。
<1年前のブログはここ> 九州の温室では赤玉の微細が調達出来ず、日向土(ぼら土)メインの栽培になっています。 日向土(ボラ土)は保湿能力が、赤玉よりも低いので若干乾かし気味の栽培になっているかもしれません。
温かい日が続き、植え替えを行っています。
以前、どこの国かはよく覚えていませんが、恐らくチェコかタイの本に、治具を使って植え替えする事が紹介されていました。 鉢を斜めにしながら、抜いた苗を斜めに置き、土を置いていくという方法でした。 こうすることで、きちんと美しく植えられるようなので、ちょっと真似してみました。 治具は作らずに、端材を鉢の下に挟み込んで斜めにしているだけです。 斜めにした鉢に、抜いた苗を置いて行くだけなので、ちょっと簡単そうです。
・・・・で植え替えた結果。
う~ん イマイチ! 下手くそですね。 途中で、互い違いに置いたほうが良いのでは?と植え替え方に迷いも表れています。 ちなみに苗は綾波(学名:Echinocactus (Homalocephala) texensis)です。 サボテン師匠からの頂き苗です。
長くに渡り、悩まされてきた翠平丸ですがようやく調子を取り戻しつつあります。
なにか工夫をして調子を戻したというよりも、ただ単にビニールハウスに入れて上げたら、元気になったというだけです。 う~ん。ビニールハウスがデフォルトで必要?というのはなんというべきか・・・ 一般的な家庭環境で、手元に置いて愛でるという楽しみは難しいサボテンなののかもしれません。 せめて、小型のフレーム環境でも育ってくれれば良かったのですが、私には出来ませんでした。 白刺翠平丸のうち一つが全く動かなくて、やきもきしていました。 その間、ゆっくりと萎んで行き、いつ膨らんで行くのかさっぱり分かりませんでした。 ところが、先日よく観察してみると、なんとなくではありますが、動き初めた気配があります。 すこし、膨らんで来たようです。 よくみると赤っぽい刺も出て来ているようです。 このままどんどん膨らんでくれれば良いのですが。
昨年の冬にキリンウチワの砧木が枯れ、根無しとなっていた翠平丸(直径5㎝)です。
根無し翠平丸は2株あるのですが、そのうち一つは根が出て来たようです。 既に球体を触っても動かないほどに根が張ってきました。 但し、もう一つの株は一切根が出ていません。 根がでたり、出なかったり、動きが全く分かりません。 コンラート ローレンツという動物行動学者は、その著書、「ソロモンの指輪」で動物の詳細な観察を通じて、動物の思い、言葉が理解出来る事を示唆していました。 私は、まだまだ、翠平丸の言葉が理解できる領域に達していません。 シクリッド(熱帯魚)については、「ソロモンの指輪」をかっちりはめている感覚はあるのですが、サボテンはまだまだです。 ※「ソロモンの指輪」とは聖書に出てくる動物の言葉が理解できる魔法の指輪
弊宅では翠平丸の成球が3ついます。
これまでほとんど成長せず、調子の悪い状態が続いています。 凹んだまま、2年目を迎えています。 もちろん開花もしたことがありません。 どうしたらよいのか分からず、家のフレームから栽培所のビニールハウスへと引っ越しさせました。
すると、一つが早くも反応してきたようです。
これまでに見たことが無い程ふっくらと、してきました。 残りの2つはまだ萎んだままですが、今年はこの場所で経過を見守りたいと思います。 |
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2月 2025
運営者近畿の住宅地の中でサボテンや多肉を育てています。 |