熱帯魚（シクリッド）の個人輸入について

2013年に熱帯魚（シクリッド）の輸入を行ってみました。
これまで、仕事の関係上、部品・雑貨・化学品などの輸入手続きはやったことはあるのですが、魚類の輸入は初めてでした。
今回、経験したことを下記の４つに分けて輸入の方法について説明を行おうと思います。
Ⅰ．事前調査
ここではまず輸入を行うためのコストを洗い出します。
そして全行程がスムーズ行くように、事前に障害となる事を調査します。

Ⅱ．発注～送金
上記が納得できるコストで、かつ克服できる障害であることが確認できたならば次ステップです。
実際に外国のシッパーに発注を行います。
そして発注量に相当するお金を支払います。

Ⅲ．通関～引取り
これは熱帯魚が日本に到着してからの動きです。
このステップは物流会社に委託しても良いのですが、最低限１～２万円のコストがかかります。
ここはコスト節約の為にも自分で税関へ赴き通関を行いました。

Ⅳ.到着後の動き
これは輸入手続きが終わり、水槽に導入するまでの動きです。
主に死着魚の処理です。

Ⅰ．熱帯魚の個人輸入にむけて事前調査

具体的には下記8点を調査しました。
1～4は相手シッパー（輸出者）との確認事項です。
5～8は税関などお役所関連への調査事項です。

調査事項

結果

1．最低発注量の有無

最小発注数量制限は無い。但し、シッパーの「希望」は5万円以上

2．取引条件

指定空港渡し（CIF Japan）全額前払い（Cash on Delivery）

3．送金方法

銀行送金のみ、PayPal・クレジットカード・Western Union等々は全て不可

4．輸送コスト

40㎝×40㎝×40㎝くらいの箱（20運賃Kg[※1]）で約4万円

5．関税率の調査

1.7%の関税（WTO協定税率）　HSコード[※2]は0301.10020

6．通関書類の記載方法の調査

税関サイトで内容をよく読みこなし、エクセルで自動計算フォーマットを作成

7．税関の営業時間の調査

関西空港は24時間通関可能

8．特別な規制・他法令[※3]の調査

特に問題なし。ティラピア以外のシクリッドについて規制は無し

[※１]　運賃Kg（キログラム）
重量は軽くて、容積が張るものは6000立法㎝＝１ｋｇの基準で計算をしなおして
重量と運賃を計算します
〔例〕
40ｃｍ×50ｃｍ×40ｃｍの箱が２つの場合は、160,000ｃｍ3です。
160,000cm3÷６０００　＝26.67kgになります。
そして、26．67Kgに運賃、例えば￥600をかけて運賃計算が行われます。

[※2]　HSコード
税関申告には、全ての物品にWTOで定めたHSコードといわれるコードを割り当ててから
申告を行います。例えば、下記物品には、この様なHSコードが割り当てられています。
- バリカン　　　　　　　：8510.10000
- インスタントカメラ　　：9006.40000
- 鑑賞用の魚　　　　　　：0301.10020
HSコードについて下記税関サイトで閲覧できます。
http://www.customs.go.jp/tariff/2017_1/index.htm

[※3]　他方例
通関というのは税関（財務省）とのやり取りだけではありません。
ものによっては、動物検疫（農林水産省）の届出・検査が必要です。
また、ワシントン条約（CITES）よる制限の可能性もあります。
こうした税関以外の制限事項を他法例と言います。
・水産生物の検疫について
http://www.maff.go.jp/aqs/topix/fishinfo.html
・ワシントン条約について
http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/