キルトカラ モーリー / Cyrtocara moorii

Cyrtocara moorii
キルトカラ モーリー

属名の意味

属名は「頭の突出したシクリッド」の意味があります。
Cyrto（ギリシャ語） = 突出した
Cara （ギリシャ語） = 頭
以前は多くのマラウィの非ムブナのハプロクロミス系の魚がこの属に分類されていたと言われています。
なぜハプロクロミス系の全てが、「突出した頭」と形容されたのか、過去の経緯はよく分かりません。
現在ではキルトカラに属する魚はモーリーだけになっており、現在では一属一種となっています。

大型魚に寄生する習性

本魚は広い砂地の浜辺に生息しています。
こうした砂地にはフォッソロクロミス・ロストラータスやミロクロミス・ラテリストリガと言った大型魚が生息しています。
こうした大型魚は砂の中に潜んでいる生き物を捕食する為、地表を掘り返す習性があります。
彼らが掘り返した砂の中からは甲殻類や貝のたぐいが地表に表れてきます。
キルトカラ・モーリーはこうした食物を捕食しながら生きています。
そのため、キルトカ・モーリーはお気に入りの大型魚を縄張りと定めます。
そして、他の魚からおこぼれを奪われないように大型魚の周りを常に警戒しています。

寄生魚が持つ独特の群青色

こうした習性を持つ魚は他にも、プラキドクロミスやプロトメラス アネクタンスなどが知られています。
これらは共通した独特の「艶なし群青色」を持っています。
この色は、砂地でとても目立ちます。
自分の色を目立たせることで、「この大型魚は自分のテリトリーである」ことを周囲にアピールしていると考えられています。
水槽下でもキルトカラ属、プラキドクロミス属、プロトメラス・アネクタンスは相性が良くないと言われます。
混泳はお勧めできません。

古い種類に特徴的な繁殖習性

キルトカラ・モーリーはいったん砂地で産卵し、速やかにオスが放精してからメスが卵を咥えます。
つまり口外受精です。
この行動パターンは隙が多く、卵を他の魚から食べられるリスクが高いと言われています。
その為、口外受精を行う魚は進化過程上古い形質を持った魚だと考えられています。
＞＞＞繁殖習性による種族の新旧について詳細

>>>　ハプロクロミスに戻る