キリンウチワについて
学名の由来
キリンウチワとはペレスキオプシス属(Pereskiopsis)の植物です。 ペレスキオプシスには「木の葉サボテンに似た植物」の意味を持っています。 Pereski =”木の葉サボテン” Opsis=”~の顔を持った” 適温 キリンウチワの成長にとって温度はとても重要です。 おおよそ、10度を超えた時点から成長開始します。 戸外で栽培する場合、丁度、田植えが始まる時期から成長が盛んになってきます。 一番最適なのは23°を超えたくらいです。 真夏の蒸し暑い時期(7月~8月)の成長が最も良好です。 この時期に接ぎ穂も成長のピークを迎えます。 反対に低温には弱く、5度を下回った気温にあたると葉っぱが黄色に変色します。 また、0度を下回る気温に長時間あてると茎・根までも枯れこんで死滅することもあります。 冬場は室内に取り込んだり、加温したりしてあまり寒気に当てない必要があります。 |
溶液栽培
キリンウチワは溶液栽培も容易です。
適当な容器に水を入れ、挿しておくと根が出るようになります。
ある程度の根が出た後に、水耕栽培用の希釈溶液で栽培すると大きくなります。
また、この時、カリウムを若干多めに投入してあげると発根がより良くなります。
水耕栽培で、お手軽にサボテンの接ぎ木が楽しめます。
キリンウチワは溶液栽培も容易です。
適当な容器に水を入れ、挿しておくと根が出るようになります。
ある程度の根が出た後に、水耕栽培用の希釈溶液で栽培すると大きくなります。
また、この時、カリウムを若干多めに投入してあげると発根がより良くなります。
水耕栽培で、お手軽にサボテンの接ぎ木が楽しめます。
溶液栽培の濃度
溶液栽培の濃度は通常の水耕栽培野菜の濃度とほぼ同じです。
弊宅ではOATアグリオと言う会社が販売している「OATハウス肥料」をEC1.3と言う濃度で希釈して使っています。
投入量についての詳細は下記図です。
希釈液をそのまま使っています。
基本1号と2号をメインに使っています。
発根したての時など必要に応じて、「加速オプション」として9号を使っています。
溶液栽培の濃度は通常の水耕栽培野菜の濃度とほぼ同じです。
弊宅ではOATアグリオと言う会社が販売している「OATハウス肥料」をEC1.3と言う濃度で希釈して使っています。
投入量についての詳細は下記図です。
希釈液をそのまま使っています。
基本1号と2号をメインに使っています。
発根したての時など必要に応じて、「加速オプション」として9号を使っています。
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溶液栽培の注意点
時々根腐れが発生します。
弱った根をそのまま放置してしまうと腐敗の原因になります。
そして根元全体が腐敗してしまいます。
この状態を避ける為、定期的にを切り戻して整理すると良いと思います。
光合成について
多肉植物・サボテンは通常CAM光合成です。
つまり二酸化炭素の吸収を夜間にしか行いません。
この為、サボテン・多肉植物は他のC3・C4光合成植物よりも成長速度が遅めです。
但し、キリンウチワはC3光合成とCAM光合成の両方を環境に応じて使い分けている植物です(注1)
水分と温度が十分な環境ではキリンウチワはC3光合成をおこなっています。
その為、キリンウチワはサボテンの仲間にも関わらず早く成長が出来る様です。
また、農産物に使われるようなウチワサボテン(ノパール・フィスカス・インディカ)にも似た性質があります。
夜に加えて昼間(朝と夕方)にも二酸化炭素の吸収を行っています。
ちなみにノパールはC3、C4植物よりも光合成による生産物が多いと言われています。(注2)
時々根腐れが発生します。
弱った根をそのまま放置してしまうと腐敗の原因になります。
そして根元全体が腐敗してしまいます。
この状態を避ける為、定期的にを切り戻して整理すると良いと思います。
光合成について
多肉植物・サボテンは通常CAM光合成です。
つまり二酸化炭素の吸収を夜間にしか行いません。
この為、サボテン・多肉植物は他のC3・C4光合成植物よりも成長速度が遅めです。
但し、キリンウチワはC3光合成とCAM光合成の両方を環境に応じて使い分けている植物です(注1)
水分と温度が十分な環境ではキリンウチワはC3光合成をおこなっています。
その為、キリンウチワはサボテンの仲間にも関わらず早く成長が出来る様です。
また、農産物に使われるようなウチワサボテン(ノパール・フィスカス・インディカ)にも似た性質があります。
夜に加えて昼間(朝と夕方)にも二酸化炭素の吸収を行っています。
ちなみにノパールはC3、C4植物よりも光合成による生産物が多いと言われています。(注2)
(注1) Carbon, Hydrogen, and Oxygen Isotope Ratios of Cellulose from Plants Having Intermediary Photosynthetic Modes
LEONEL O'REILLY STERNBERG, MICHAEL J. DENIRO, AND IRWIN P. TING
June 24, 1983 and in revised form September 12, 1983
(注2)Recent Ecophysiological Advances for Opuntia fiscus-indica and other Cacti
Park S.Nobel
台木としてキリンウチワ
キリンウチワに接いだ場合、成長速度は速いですがパワーはありません。
一年で直径10㎝を超えるような大型の球体を作り出すのは非常に困難です。
小さな実生苗を接ぎ木し、その後、成長点を潰し子吹きさせ、クローンを増殖するなどの活用にはとても使えます。
広い温室があるなど十分な環境がある場合は、柱サボテン(アカントセレウス・袖ヶ浦)に接いだ方がより大きくなると思います。
キリンウチワに接いだ場合、成長速度は速いですがパワーはありません。
一年で直径10㎝を超えるような大型の球体を作り出すのは非常に困難です。
小さな実生苗を接ぎ木し、その後、成長点を潰し子吹きさせ、クローンを増殖するなどの活用にはとても使えます。
広い温室があるなど十分な環境がある場合は、柱サボテン(アカントセレウス・袖ヶ浦)に接いだ方がより大きくなると思います。
接ぎ木としての相性:
あまり、キリンウチワと相性が悪いサボテンという話はあまり聞きません。
但し、私の行った経験での範囲ですが、相性が悪かったりのは下記です。
・月世界
・マミラリア 一部 (ガッセリアーナ)
・オルテゴカクタス・マクドガリー
※ 以前、ギムノカリキウムのラゴネシーとプロチャズキアーナムはキリン団扇と相性が悪いと書いていましたが、
その後、何度か繰り返してみましたが、問題なく成長することが分かりました。
あまり、キリンウチワと相性が悪いサボテンという話はあまり聞きません。
但し、私の行った経験での範囲ですが、相性が悪かったりのは下記です。
・月世界
・マミラリア 一部 (ガッセリアーナ)
・オルテゴカクタス・マクドガリー
※ 以前、ギムノカリキウムのラゴネシーとプロチャズキアーナムはキリン団扇と相性が悪いと書いていましたが、
その後、何度か繰り返してみましたが、問題なく成長することが分かりました。
脇芽抑制ホルモン:
キリンウチワを接ぎ木すると台木から脇芽が盛んに出てきます。
この脇芽はこまめに除去する必要があります。
脇芽掻きを怠ると栄養が接穂に回らず、成長がよくありません。
但し、手やピンセットで脇芽掻きをしていると、手が接ぎ穂にあたり落としたりと事故が多発してしまいます。
しかしながら、幸いな事に世の中には、脇芽抑制ホルモンと言うものが販売されています。
特にタバコ栽培で用いられる脇芽抑制ホルモンがキリンウチワでも有効であることが、知られています。
一般的に入手しやすいのはエキガゾールと呼ばれるホルモン剤です。
キリンウチワを接ぎ木すると台木から脇芽が盛んに出てきます。
この脇芽はこまめに除去する必要があります。
脇芽掻きを怠ると栄養が接穂に回らず、成長がよくありません。
但し、手やピンセットで脇芽掻きをしていると、手が接ぎ穂にあたり落としたりと事故が多発してしまいます。
しかしながら、幸いな事に世の中には、脇芽抑制ホルモンと言うものが販売されています。
特にタバコ栽培で用いられる脇芽抑制ホルモンがキリンウチワでも有効であることが、知られています。
一般的に入手しやすいのはエキガゾールと呼ばれるホルモン剤です。
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キリンウチワの開花:
キリンウチワを直径60cm程度の大きな鉢に植えていたのですが、一年ほどで高さ1.5m、幅2mほどの灌木状態にまで成長してきました。
この様な灌木状態にまで成長すると開花するようになるようです。
6月の暑い時期になると、複数の花が咲き、6月~7月までに断続的に開花するようになりました。
花の寿命は1日~2日で、4日目までには萎んでしまいます。
その後、椿の様に、ボタッっと花は落ちていきます。
キリンウチワを直径60cm程度の大きな鉢に植えていたのですが、一年ほどで高さ1.5m、幅2mほどの灌木状態にまで成長してきました。
この様な灌木状態にまで成長すると開花するようになるようです。
6月の暑い時期になると、複数の花が咲き、6月~7月までに断続的に開花するようになりました。
花の寿命は1日~2日で、4日目までには萎んでしまいます。
その後、椿の様に、ボタッっと花は落ちていきます。
キリンウチワの種子鞘:
開花した花の付け根の部分は側枝だと思っていましたが、実はキリンウチワの種子鞘でした。開花後、一年ほど経過すると、写真のように、オレンジ色になってきました。
このオレンジ色の物体に軽く触れると、比較的簡単に取れます。
中を割ってみると、維管束などが見当たらず、ジューシーでサボテンの果実のような感触があります。
さらに、中には、種子のようなものが含まれていました。
すべての種子鞘に種が詰まっているわけではありませんが、全体の20%程度の種子鞘には10〜20粒の種子が含まれていました。
ちなみに、この種子鞘は「にんじん」に似ていますが、表面には激しい芒刺が覆われており、素手で触れることは難しいです。
開花した花の付け根の部分は側枝だと思っていましたが、実はキリンウチワの種子鞘でした。開花後、一年ほど経過すると、写真のように、オレンジ色になってきました。
このオレンジ色の物体に軽く触れると、比較的簡単に取れます。
中を割ってみると、維管束などが見当たらず、ジューシーでサボテンの果実のような感触があります。
さらに、中には、種子のようなものが含まれていました。
すべての種子鞘に種が詰まっているわけではありませんが、全体の20%程度の種子鞘には10〜20粒の種子が含まれていました。
ちなみに、この種子鞘は「にんじん」に似ていますが、表面には激しい芒刺が覆われており、素手で触れることは難しいです。
キリンウチワの種子:
キリンウチワは「ウチワ」と言われていますが、草体を見る限り、「ウチワサボテン」っぽさは全くありません。
しかしながら、種子の形体はまさにウチワサボテンそのものです。
殆どオプンチア属と同じような白色の大きな種子です。
種をよく見てみると、「白い毛のあるタイプ(キリンウチワ:麒麟団扇?)」を母木にした種子と「毛のないタイプ(ルリバキリン:瑠璃葉麒麟?」を母木にしたものでは、種子の大きさが若干異なります。
毛の無いタイプを母木にした種子が若干大きい感じです。
キリンウチワは「ウチワ」と言われていますが、草体を見る限り、「ウチワサボテン」っぽさは全くありません。
しかしながら、種子の形体はまさにウチワサボテンそのものです。
殆どオプンチア属と同じような白色の大きな種子です。
種をよく見てみると、「白い毛のあるタイプ(キリンウチワ:麒麟団扇?)」を母木にした種子と「毛のないタイプ(ルリバキリン:瑠璃葉麒麟?」を母木にしたものでは、種子の大きさが若干異なります。
毛の無いタイプを母木にした種子が若干大きい感じです。
2024年2月26日更新
2021年10月4日更新
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