シクリッドとその発色のメカニズム
アフリカンシクリッドを飼育をしていて、シクリッドの体内ではどのようなメカニズムで発色がおきているのか不思議でした。
また、どの様な飼料を与えれば発色がより良くなるのか悩んでいました。
その時に非常に勉強させていただいた文章が下記です。
原文はこちらです。
また、どの様な飼料を与えれば発色がより良くなるのか悩んでいました。
その時に非常に勉強させていただいた文章が下記です。
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シクリッドの発色コントロールと増進
著者:ジェイソン セーロン
魚の発色と内分泌・自律神経の関わり
魚の発色について、食物に含まれる色素がその要因になっているケースもあります。
しかし、基本的には内分泌・自律神経の作用によるものが大半をしめます。
1.内分泌系発色
内分泌システムの一つである脳下垂体はホルモンを分泌します。
ここで分泌されたホルモンの作用により、魚は体内で色素を生産・備蓄したりすることが出来ます。
また、魚が大人になるにつれホルモンの作用は強くなり生産量・備蓄量も増加します。
多くの魚類で色彩はカムフラージュや異性の関心を引き付ける為に使われます。
中でも特にカワスズメ科(シクリッド)の魚は、成魚になってからの雄の色彩が際立っています。
2.自律神経系発色
自律神経システムは捕食者・ライバルからの攻撃に応じて自らの体色を変える事に役立っています。
おそらく、この体色の変化をご覧になったことがある方は、この変化が驚異的な速度であることはご存知の事だと思われます
色素細胞のメカニズム
特別な色素を持つ細胞は色素細胞とよばれ、鱗の下に存在しています。
これらの細胞内では、色素の微粒子が出現・消滅・収束・分散が可能なように枝分かれしてしています。
こうした柔軟性を持った細胞により、魚は急激に色を変える事が出来るのです。
更には、こうした特別な機能をもった色素細胞にはイリドフォレスと呼ばれる、色の無いプリン結晶体が存在しています。
この結晶体は非常に大きくイリドフォレス同士で積み重なって存在しています。
この現象は結果的に魚の表面反射を行う事となり、色彩並びに構造上の基礎部分となっています。
イリドフォレスは銀色に輝く働きがあります。
とりわけ、遠洋にすむ魚のイリドフォレスは外部の光をよく反射します。
結果的に海底から魚を見上げると、波間のきらめきと一緒になり魚が見えにくくなる効果があります。
一方、暗い場所や上部からこの魚を見た場合、とても暗く見えるため魚の姿が捕えにくくなります。
これは、捕食者から身を守る為に出来たメカニズムと考えられています。
色素
色素はそれぞれ特色があります。
カロテノイド色素 :赤とオレンジ。
キサントフィル色素 :黄色。
メラニン色素 :黒と茶色。
フィコシアニン色素 :青色(青緑の苔に存在している色素)
また、細胞の中にもともと黄色の色素が有る場合、このフィコシアニンによる青は緑を帯びてくるようになります。
著者:ジェイソン セーロン
魚の発色と内分泌・自律神経の関わり
魚の発色について、食物に含まれる色素がその要因になっているケースもあります。
しかし、基本的には内分泌・自律神経の作用によるものが大半をしめます。
1.内分泌系発色
内分泌システムの一つである脳下垂体はホルモンを分泌します。
ここで分泌されたホルモンの作用により、魚は体内で色素を生産・備蓄したりすることが出来ます。
また、魚が大人になるにつれホルモンの作用は強くなり生産量・備蓄量も増加します。
多くの魚類で色彩はカムフラージュや異性の関心を引き付ける為に使われます。
中でも特にカワスズメ科(シクリッド)の魚は、成魚になってからの雄の色彩が際立っています。
2.自律神経系発色
自律神経システムは捕食者・ライバルからの攻撃に応じて自らの体色を変える事に役立っています。
おそらく、この体色の変化をご覧になったことがある方は、この変化が驚異的な速度であることはご存知の事だと思われます
色素細胞のメカニズム
特別な色素を持つ細胞は色素細胞とよばれ、鱗の下に存在しています。
これらの細胞内では、色素の微粒子が出現・消滅・収束・分散が可能なように枝分かれしてしています。
こうした柔軟性を持った細胞により、魚は急激に色を変える事が出来るのです。
更には、こうした特別な機能をもった色素細胞にはイリドフォレスと呼ばれる、色の無いプリン結晶体が存在しています。
この結晶体は非常に大きくイリドフォレス同士で積み重なって存在しています。
この現象は結果的に魚の表面反射を行う事となり、色彩並びに構造上の基礎部分となっています。
イリドフォレスは銀色に輝く働きがあります。
とりわけ、遠洋にすむ魚のイリドフォレスは外部の光をよく反射します。
結果的に海底から魚を見上げると、波間のきらめきと一緒になり魚が見えにくくなる効果があります。
一方、暗い場所や上部からこの魚を見た場合、とても暗く見えるため魚の姿が捕えにくくなります。
これは、捕食者から身を守る為に出来たメカニズムと考えられています。
色素
色素はそれぞれ特色があります。
カロテノイド色素 :赤とオレンジ。
キサントフィル色素 :黄色。
メラニン色素 :黒と茶色。
フィコシアニン色素 :青色(青緑の苔に存在している色素)
また、細胞の中にもともと黄色の色素が有る場合、このフィコシアニンによる青は緑を帯びてくるようになります。
色素の外部取得
魚は自ら、幾つかの色素を作り出すことができます。
但し、自分で作り出す事ができる色素以外は食べ物を通じて取得しなければなりません。
黒と茶色の色素は、メラノシテスという体内の細胞から作り出されます。
しかし、カロテノイド(赤、オレンジ)、キサントフィル(黄色)は体内で作り出すことができません。
従って、これらの色素を鮮やかにしたい場合、餌を通じて色素を与える必要があります。
自然下で存在している色素の多くは鑑賞魚用飼料にも用いられています。
色揚げ飼料には観賞魚の色彩を向上させるような自然採取された色素が含まれていると考えられます。
カロテノイドと言う色素は多くの海水・淡水の甲殻類がもつアスタキサンチンで見受けられます。
この色素により、鮭などの魚は特徴的な色彩を帯びています。
エビ・クリルといった飼料、またはタンパク源として鮭肉を使用している飼料にもこのアスタキサンチンが含まれています。
また、純粋に抽出されたアスタキサンチンまたはカンタキサンチン(アスタキサンチンの合成物)を直接飼料に添加し、赤やオレンジの色彩を高めるよう設計されている飼料もあります。
養殖業ではこれらカロテノイド色素は鮭・虹鱒の肉を赤色に染めるのによく使われています。
キサントフィル(黄色)はトウモロコシのグルテン飼料や乾燥卵に含まれている色素です。
キサントフィルも熱帯魚の色揚げを目的として飼料に含まれているケースがあるようです。
マリーゴールドの花びらの粉末がキサントフィルの原料としてよく使用されています。
青緑藻スピルナに豊富に含まれるフィコシアニンもまた、青色を高める目的で添加されています。
これらの色素は高価なため、飼料には高濃度で含まれることはありません。
但し一般的に見られる色揚げ飼料の中にはこれらの色素を複数とりまぜて幅広く・低濃度で使われています。
魚への染色処理1:直接染色
観賞魚の発色に関して議論をする場合、魚への直接的な染色、またはホルモン添加食品による色揚げについても避けて通れない話題です。
魚への直接的な染色の事例として、「注射染色」をグラスフィッシュなどに対して行う事はとても有名です。
染色に用いられる蛍光カラーのペイントは毒性の無いものです。
しかしながら、注射染色の作業工程や輸送上のストレスから病気の問題がよく発生します。
こうした魚は白点病や細菌感染症の水槽内への持ち込みが指摘されています。
さらに、時間と共にこのペイントは消えてしまいます。
多くの飼育者は、色が無くなった事により何も変哲の無い魚に変化したと興ざめする結果になっています。
また、別の方法の染色も今日では一般化してきています。
染色液に魚を直接投入し染色するようなケースです。
この場合も注射染色と同様に染色工程や移動工程の取扱いにより病気に感染することが多くなっています。
魚への染色処理2:ホルモン処理
ホルモンもまた色揚げと言う目的で使用されるケースがあります。
こうしたホルモンの使用は魚を早熟させる結果を生み出します。
テストステロン(男性ホルモン)は色素細胞内の色素生成と発色を促す結果を生み出します。
例えば、これらを幼魚に与えた場合、通常くすんだ色の幼魚が成熟魚の色を呈するようになります。
しかしながら、これらホルモンによって処理された魚は、生殖機能が働かなくなることがよくあります。
更には、継続的に飼料にホルモンを投与し摂取させなければ、色彩を保てなくなる現象が表れたりします。
また通常、幼魚器における性別はまだ確定していません。
今後成魚になりオスになるのかメスになるのかはっきりしていない状態です。
しかし、こうしたテストステロンを中心としたホルモン摂取は全ての幼魚を雄に性転換させる結果をうみだしてしまいます。
つまり、過度な量のテストステロンは、生殖機能を失わせしめ、体内から自然に発生するホルモン生成機能を破壊してしまいます。
したがって、こうした魚はホルモン処理された餌をストップさせられると、その色彩を保持できなくなってしまいます。
魚とホルモン剤の関係
ホルモン剤を含有した魚類用飼料は食用ティラピア(オレオクロミス)の餌として一般的に商業利用されています。
以前、ティラピア生産者にはある悩みがありました。
それは、出荷サイズになる前に魚が性成熟してしまい、増肉率が悪化するというものでした。
これは食物摂取によるエネルギーが生殖細胞の成長に多く費やされてしまい、肉体の成長につながらない為に起きていました。
生産者はこの状況を防ぐ為、幼魚と成魚をとりまぜて育成池で飼育し、性成熟と勝手な繁殖を阻害するようにしてきました。
しかし、現在ではこの様な処置を経ずとも、テストステロンを含んだホルモン含有飼料をティラピアに用いることで増肉率向上を行っています。
この種の飼料は、幼魚の成長促進用として現在でもFDA(米国食品医薬品局)監督の下、魚用飼料として承認されています。
ホルモン剤処理魚への対応~より良い発色に向けて
一方、こうしたタイプの飼料は、観賞魚の養殖業者やアクアリストの中では余り広まっていないように思われます。
また、成魚の色揚げ用に使われることもほとんど目にすることはありません。
しかしながら、これはシクリッドという例外を除いての話です。
ホルモン色揚げされた魚と正常な魚を区別するには、購入時に販売魚を十分観察する必要があります。
これ以外、方法はありません。
もし余りにも美しすぎる魚だった場合、これは反対に非常に怪しいものです。
また、「水質」も観賞魚の色彩向上に関して補助的な役割を果たします。
劣悪な水質は、飼育魚のストレスを増大させ、魚の色彩を鈍らせてしまいます。
質の良い生物ろ過装置と定期的な換水(最低限、2週間に1度)は、彼らが眩いばかりの色彩を発揮させるような環境作りに役立つことでしょう。
魚は自ら、幾つかの色素を作り出すことができます。
但し、自分で作り出す事ができる色素以外は食べ物を通じて取得しなければなりません。
黒と茶色の色素は、メラノシテスという体内の細胞から作り出されます。
しかし、カロテノイド(赤、オレンジ)、キサントフィル(黄色)は体内で作り出すことができません。
従って、これらの色素を鮮やかにしたい場合、餌を通じて色素を与える必要があります。
自然下で存在している色素の多くは鑑賞魚用飼料にも用いられています。
色揚げ飼料には観賞魚の色彩を向上させるような自然採取された色素が含まれていると考えられます。
カロテノイドと言う色素は多くの海水・淡水の甲殻類がもつアスタキサンチンで見受けられます。
この色素により、鮭などの魚は特徴的な色彩を帯びています。
エビ・クリルといった飼料、またはタンパク源として鮭肉を使用している飼料にもこのアスタキサンチンが含まれています。
また、純粋に抽出されたアスタキサンチンまたはカンタキサンチン(アスタキサンチンの合成物)を直接飼料に添加し、赤やオレンジの色彩を高めるよう設計されている飼料もあります。
養殖業ではこれらカロテノイド色素は鮭・虹鱒の肉を赤色に染めるのによく使われています。
キサントフィル(黄色)はトウモロコシのグルテン飼料や乾燥卵に含まれている色素です。
キサントフィルも熱帯魚の色揚げを目的として飼料に含まれているケースがあるようです。
マリーゴールドの花びらの粉末がキサントフィルの原料としてよく使用されています。
青緑藻スピルナに豊富に含まれるフィコシアニンもまた、青色を高める目的で添加されています。
これらの色素は高価なため、飼料には高濃度で含まれることはありません。
但し一般的に見られる色揚げ飼料の中にはこれらの色素を複数とりまぜて幅広く・低濃度で使われています。
魚への染色処理1:直接染色
観賞魚の発色に関して議論をする場合、魚への直接的な染色、またはホルモン添加食品による色揚げについても避けて通れない話題です。
魚への直接的な染色の事例として、「注射染色」をグラスフィッシュなどに対して行う事はとても有名です。
染色に用いられる蛍光カラーのペイントは毒性の無いものです。
しかしながら、注射染色の作業工程や輸送上のストレスから病気の問題がよく発生します。
こうした魚は白点病や細菌感染症の水槽内への持ち込みが指摘されています。
さらに、時間と共にこのペイントは消えてしまいます。
多くの飼育者は、色が無くなった事により何も変哲の無い魚に変化したと興ざめする結果になっています。
また、別の方法の染色も今日では一般化してきています。
染色液に魚を直接投入し染色するようなケースです。
この場合も注射染色と同様に染色工程や移動工程の取扱いにより病気に感染することが多くなっています。
魚への染色処理2:ホルモン処理
ホルモンもまた色揚げと言う目的で使用されるケースがあります。
こうしたホルモンの使用は魚を早熟させる結果を生み出します。
テストステロン(男性ホルモン)は色素細胞内の色素生成と発色を促す結果を生み出します。
例えば、これらを幼魚に与えた場合、通常くすんだ色の幼魚が成熟魚の色を呈するようになります。
しかしながら、これらホルモンによって処理された魚は、生殖機能が働かなくなることがよくあります。
更には、継続的に飼料にホルモンを投与し摂取させなければ、色彩を保てなくなる現象が表れたりします。
また通常、幼魚器における性別はまだ確定していません。
今後成魚になりオスになるのかメスになるのかはっきりしていない状態です。
しかし、こうしたテストステロンを中心としたホルモン摂取は全ての幼魚を雄に性転換させる結果をうみだしてしまいます。
つまり、過度な量のテストステロンは、生殖機能を失わせしめ、体内から自然に発生するホルモン生成機能を破壊してしまいます。
したがって、こうした魚はホルモン処理された餌をストップさせられると、その色彩を保持できなくなってしまいます。
魚とホルモン剤の関係
ホルモン剤を含有した魚類用飼料は食用ティラピア(オレオクロミス)の餌として一般的に商業利用されています。
以前、ティラピア生産者にはある悩みがありました。
それは、出荷サイズになる前に魚が性成熟してしまい、増肉率が悪化するというものでした。
これは食物摂取によるエネルギーが生殖細胞の成長に多く費やされてしまい、肉体の成長につながらない為に起きていました。
生産者はこの状況を防ぐ為、幼魚と成魚をとりまぜて育成池で飼育し、性成熟と勝手な繁殖を阻害するようにしてきました。
しかし、現在ではこの様な処置を経ずとも、テストステロンを含んだホルモン含有飼料をティラピアに用いることで増肉率向上を行っています。
この種の飼料は、幼魚の成長促進用として現在でもFDA(米国食品医薬品局)監督の下、魚用飼料として承認されています。
ホルモン剤処理魚への対応~より良い発色に向けて
一方、こうしたタイプの飼料は、観賞魚の養殖業者やアクアリストの中では余り広まっていないように思われます。
また、成魚の色揚げ用に使われることもほとんど目にすることはありません。
しかしながら、これはシクリッドという例外を除いての話です。
ホルモン色揚げされた魚と正常な魚を区別するには、購入時に販売魚を十分観察する必要があります。
これ以外、方法はありません。
もし余りにも美しすぎる魚だった場合、これは反対に非常に怪しいものです。
また、「水質」も観賞魚の色彩向上に関して補助的な役割を果たします。
劣悪な水質は、飼育魚のストレスを増大させ、魚の色彩を鈍らせてしまいます。
質の良い生物ろ過装置と定期的な換水(最低限、2週間に1度)は、彼らが眩いばかりの色彩を発揮させるような環境作りに役立つことでしょう。