アクアリウム擬岩バックパネルの作成について
アクアリウム擬岩バックパネルとは
アクアリウム用の擬岩バックパネルとは、水槽の背面部に、本物そっくりの擬岩をレイアウトし、より自然な水景を作り出すものです。
1994年に発行されたシクリッド・イヤーブック(Vol4)にはFRPなどの樹脂を使ったアクアリウム擬岩バック・グラウンドが、既に紹介されています。 アクアリウムの世界では、擬岩バックパネルは既に25年以上の歴史はあると思われます。 ちなみに海外では、先のシクリッド・イヤーブックでも紹介されていた「Back to Nature」が最も歴史あるブランドだと思います。 |
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ただし、このアクアリウム擬岩バックパネル。日本では殆ど聞くことがありません。
水景を作り出す楽しみが、いわゆる「水草レイアウト」の方向性に極端に先鋭化した事も影響あるのでしょうか? 日本では、こうした擬岩バックパネルが販売されるのを見たことがありません。 しかしながら、欧米や日本以外のアジア諸国では、そこそこの人気を博したアクアリウム用品です。 ここ数年で、中国製の擬岩バックパネルが出てきたので、比較的安価になってきましたが、10年ほど前には120cm程度の水槽で擬岩バックパネルを海外から通販しようとすると20~30万円ほどが必要でした。 そこまでの出費がバンバン出来るほどの甲斐性は、私にはございません。 そこで、これまで購入した水槽に、発泡スチロール(スタイロフォーム)とモルタルで擬岩パネルを自作してきました。 自作の擬岩パネルでは、気力と時間はかかりますが、数千円程度の出費で完成させることが出来ます。 また、右の写真のように、複雑なバックパネルを設置すると、シクリッドがその上でホバリングしながら、垂直に泳いだりと、とても自然な習性を見せてくれるようになります。 |
アクアリウム擬岩バックパネル作成の全体工程
擬岩バックパネルの作成は、主に下記1~5の工程が必要になってきます。
順番に各工程での状況を説明して行きたいと思います。
1.発泡スチロール(スタイロフォーム)の削り出し
2.モルタルの盛り付け
3.水分養生
4.擬岩バックパネルの水槽背面への貼り付け
5.アク抜き
6.飼育開始
順番に各工程での状況を説明して行きたいと思います。
1.発泡スチロール(スタイロフォーム)の削り出し
2.モルタルの盛り付け
3.水分養生
4.擬岩バックパネルの水槽背面への貼り付け
5.アク抜き
6.飼育開始
1.発泡スチロール(スタイロフォーム)の削り出し
全体的な背景をイメージし、スタイロフォームを削り出して行きます。
このスタイロフォームは大枠で削り出しても構いません。
この後、モルタルを盛り付けていきますが、厚さ最低限2mm~3mmほど盛り付ける必要があるので、あくまで基材として大雑把に削り出すイメージです。
また、モルタルの”乗り”を良くするために、小さな穴を沢山つける事をお勧めします。
このスタイロフォームは大枠で削り出しても構いません。
この後、モルタルを盛り付けていきますが、厚さ最低限2mm~3mmほど盛り付ける必要があるので、あくまで基材として大雑把に削り出すイメージです。
また、モルタルの”乗り”を良くするために、小さな穴を沢山つける事をお勧めします。
2.モルタルの盛り付け
モルタルとは「セメント」と「砂」の混ざったものです。ちなみに、コンクリートとは、「セメント」と「砂」と「小石(砂利)」を加えたものです。
イメージとしては、「砂」は中間材であり、「セメント」は中間材と中間材を接着させる「接着剤」の役割を果たします。
つまり「セメント」だけでは、とても脆く出来上がってしまい、擬岩として、殆ど使い物にならなくなってしまいます。
その為、「セメント」と「砂」の混ざった、「モルタル」が強度の面から必要になってきます。
擬岩作成において、ホームセンターで販売している既製品のモルタルを購入しても構いません。
しかしながら、既製品のモルタルの「砂」は少々粒の大きかったり、荒いものがあります。
より細部の出来上がりにこだわるならば、セメントと粒子の非常に小さな砂を別々に購入し、セメント1・砂3の割合で混合させて使用することをお勧めします。
また、モルタルをスタイロフォームに盛り付ける時、最低限2mm~3mmは必要です。それ以上薄い場合、クラックが入ったり、何かの衝撃で割れたりする可能性があります。
その為、薄い箇所で2mm~3mm、ややもすれば、10mm~20mmほど盛り付けても構いません。
イメージとしては、「砂」は中間材であり、「セメント」は中間材と中間材を接着させる「接着剤」の役割を果たします。
つまり「セメント」だけでは、とても脆く出来上がってしまい、擬岩として、殆ど使い物にならなくなってしまいます。
その為、「セメント」と「砂」の混ざった、「モルタル」が強度の面から必要になってきます。
擬岩作成において、ホームセンターで販売している既製品のモルタルを購入しても構いません。
しかしながら、既製品のモルタルの「砂」は少々粒の大きかったり、荒いものがあります。
より細部の出来上がりにこだわるならば、セメントと粒子の非常に小さな砂を別々に購入し、セメント1・砂3の割合で混合させて使用することをお勧めします。
また、モルタルをスタイロフォームに盛り付ける時、最低限2mm~3mmは必要です。それ以上薄い場合、クラックが入ったり、何かの衝撃で割れたりする可能性があります。
その為、薄い箇所で2mm~3mm、ややもすれば、10mm~20mmほど盛り付けても構いません。
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3.水分養生
モルタルを盛り付けた擬岩は、一度、完全に乾燥させます。
モルタルは、乾燥させた後、幾分かの水分を与えることで更に強度が強くなると言われています。
その為、乾燥させた擬岩に、霧吹きで水分を与える事で表面の強化を狙っていきます。
霧吹き~乾燥を2回ほど(2日~4日)を繰り返せば、水分養生は終了です。
モルタルは、乾燥させた後、幾分かの水分を与えることで更に強度が強くなると言われています。
その為、乾燥させた擬岩に、霧吹きで水分を与える事で表面の強化を狙っていきます。
霧吹き~乾燥を2回ほど(2日~4日)を繰り返せば、水分養生は終了です。
4.アクアリウム擬岩バックパネルの水槽背面への貼り付け
5.アク抜き
モルタル自体は、強アルカリの物質です。
貼り付けたばかりのモルタル擬岩が入った水槽に水を入れると、その水は魚が生息できないようなアルカリ性の水になってしまいます。 その為、モルタルのアク抜き(アルカリ中和)が必要となります。 錦鯉用のコンクリート/モルタル池を中和する事を目的とした専用溶液である”アクアマリンソフト”を使えば容易に中和ができます。 |
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擬岩バックパネルを貼り付けた水槽に水を入れ、アクアマリンソフトを必要量投入し、その上で、水中モーターを半日ほど回します。
こうする事で、中和成分が満遍なく擬岩に浸透し、完全にアクを抜き切る事が出来ます。 アクが抜けきったモルタル擬岩は、若干、色味が黒っぽくなってきます。目視からもアクの有無が確認できると思います。 また、ソフトマリンを用いてのアク抜き作業時には、換気に留意する必要があります。 アルカリ中和の化学反応が起きている事からだと思われますが、アク抜き中は微妙な臭気(オナラの様な臭い)が蔓延してきます。 この臭気が、健康にどのような影響を及ぼすのかは分かっていませんが、あまり気持ちの良いものでは無いので、アク抜き中は全ての窓を開けておいた方が良いと思われます。 |
6.飼育開始
アク抜きが終了したら、飼育開始可能です。
魚を飼育して、ある程度濾過が馴染んで、苔が生えてくるようになると、このバックパネルも見違えて自然感あふれるものになると思います。
魚を飼育して、ある程度濾過が馴染んで、苔が生えてくるようになると、このバックパネルも見違えて自然感あふれるものになると思います。