マラウイシクリッドの繁殖行動相違と種族の新旧
マラウイ湖にすむシクリッド(カワスズメ科)の魚はティラピア・レンダリーなどの非固有種を除いて全て口内孵化(マウスブルーダー)です。
しかし、彼らが産卵し、卵を口に咥えるまでの行動プロセスは2パターンある事が知られています。
・口の「外」で受精するタイプ
・口の「中」で受精するタイプ
そして専門家は、「外での受精」は古いタイプ、「中での受精」は新しいタイプとと考えています。
それぞれの詳細を見ていきたいと思います。
しかし、彼らが産卵し、卵を口に咥えるまでの行動プロセスは2パターンある事が知られています。
・口の「外」で受精するタイプ
・口の「中」で受精するタイプ
そして専門家は、「外での受精」は古いタイプ、「中での受精」は新しいタイプとと考えています。
それぞれの詳細を見ていきたいと思います。
・口の外で受精するタイプ・・・(古いタイプ)
このタイプの産卵プロセスは下記です。
このタイプの産卵プロセスは下記です。
プロセス |
卵の場所 |
リスク評価 |
1)メスが地表に産卵をする |
地表 |
× |
2)オスが卵に放精する |
口内 |
× |
3)メスは卵を口にくわえる |
口内 |
〇 |
また、本タイプは1つのつがいですべての産卵を完結する傾向があります。
この行動パターンには下記2つのデメリットが考えられます。
・隙が多い
マラウイ湖では多くの個体が密集して生息しています。
さらには卵泥棒食を専門にしたシクリッドも存在しており、産卵中の卵を狙ってうろついています。
一旦、卵を地表に置き、受精させるプロセスは、こうした敵対魚に隙を与える事になります。
この為、本タイプの産卵成功率は若干非効率になります。
・遺伝子の多様性が無い
一つのつがいで受精が完了する為、遺伝子の多様性という面では不利に働きます。
※古いタイプのシクリッドにはキルトカラ・モーリー、スキアエノクロミス・フライエリーなどが知られています。
この行動パターンには下記2つのデメリットが考えられます。
・隙が多い
マラウイ湖では多くの個体が密集して生息しています。
さらには卵泥棒食を専門にしたシクリッドも存在しており、産卵中の卵を狙ってうろついています。
一旦、卵を地表に置き、受精させるプロセスは、こうした敵対魚に隙を与える事になります。
この為、本タイプの産卵成功率は若干非効率になります。
・遺伝子の多様性が無い
一つのつがいで受精が完了する為、遺伝子の多様性という面では不利に働きます。
※古いタイプのシクリッドにはキルトカラ・モーリー、スキアエノクロミス・フライエリーなどが知られています。
・口の中で受精するタイプ・・・新しいタイプ
※マラウイシクリッドの多くがこのパターンで産卵します。
※マラウイシクリッドの多くがこのパターンで産卵します。
プロセス |
卵の場所 |
リスク評価 |
1)メスが地表に産卵する |
地表 |
× |
2) メスは速やかに回転し卵を口に咥える |
地表~口内 |
△ |
3)オスの生殖孔に近づき魚精を飲み込む |
口内 |
〇 |
このタイプでは幾つかのオスの巣を訪れては、こまめに産卵する傾向があります。
この為、下記メリットがあります。
・隙が少ない
古いタイプと比べ、卵が口外に露出している時間が少ないため、卵が襲われにくい
・遺伝子の多様性がある
複数のオスと交わるので遺伝子の多様性がある。
専門家は上記2つのタイプでアフリカンシクリッドを「昔から存在している古いタイプ」と「進化し洗練られた新しいタイプ」とで区別しています。
この為、下記メリットがあります。
・隙が少ない
古いタイプと比べ、卵が口外に露出している時間が少ないため、卵が襲われにくい
・遺伝子の多様性がある
複数のオスと交わるので遺伝子の多様性がある。
専門家は上記2つのタイプでアフリカンシクリッドを「昔から存在している古いタイプ」と「進化し洗練られた新しいタイプ」とで区別しています。
2017年3月2日完成